Interior design

LDK Inc.

多くの企業で在宅・リモートワークが導入され、オフィスを縮小した事例も少なくない。東京、大阪、名古屋エリアを拠点に、法人向けの社宅仲介サービスを展開する株式会社エル・ディー・ケイの移転プロジェクトは、そのような時勢のなかで計画された。


同社が出した答えは、3フロアに分かれた空間から、広々とした1フロアのオフィスへ移設すること。新しいオフィスを構想するにあたりヒントを得たのは、2023 年 3 月に建設予定の “HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE” (*1)の計画。北海道北広島市に建設予定のボールパークは、野球観戦だけでなく、試合がない日でも、買い物や食事、レジャーを楽しみ、賑わいや交流を創出する、地域のシンボルともなる施設である。施設そのものが多様性を持って生み出されることにより、多くの付加価値を生み出す。オフィスも同様に、働く仲間はもちろんのこと、集う多くの人に新たな価値を生み出す場にできないかと考えた。社名でもある LDK (リビング・ダイニング・キッチン)は、家族が集まり、落ち着ける一家団欒の象徴ともなる場である。人が自然と集まる会社づくりを目指す同社の働く空間として、居心地の良さ、そして人が集まる意味を空間にもたせること、その答えをオフィスで表現したいと思った。

 

LDK OFFICE Layout ( Image sketch )

 

空間は、L字型の約116坪の1フロア。区画の中央あたりを、リビングのように人が集まる空間とエントランスが隣り合う「ビジターエリア」とし、その動線は会議室やミーティングエリア・個室ブースへと1本の道で繋がる。オープンなエリアを計画するにあたり、エントランス空間の奥行きが少ないことが課題であったが、ミーティングエリアを格子で囲むことにより、視線を左の空間の抜けに移動させること、また奥に向かう通路を1段高く設定し、高低差を設けることでも空間の広さを感じる仕掛けを施している。さらに向かって正面の天井部にはパースをきかせ、目の錯覚から空間全体の奥行きを感じるように仕掛けている。

Simulation image of the ceiling

仕事をする、打ち合わせをするだけの場所ではなく、来客者のためのセカンドオフィスにもなり、人が集うリビングにもなる。新たに生まれた場所がエル・ディー・ケイの新たな企業風土を表現し続け、この時代にあえて人が集う場を設けることで、多くの価値が生まれることを願っている。

( *1 参照 ) HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE 

Project details

  • Location / Area

    Tokyo, Shibuya-ku / 382㎡

  • Date of Completion

    2022.04

  • Design

    Interior design / I I L S. Inc.

  • Management

    Project management / Legaseed Inc.

  • Furniture / Materials / Green

  • Photographer

    Yoko Okada