Interior design

House in Shiga

滋賀県の閑静な住宅街に佇む、築38年の戸建住宅のリノベーション。

長年愛着を持って住まわれた住居には、随所に粋な意匠が計画されていた。
先人の計画に敬意の念を抱きつつも、我々がここに何を足していくか、もしくは引き算をするのか。

オフィスや店舗の設計とは違うアプローチを楽しみつつ、図面を眺めた。

Image sketch

1st FLOOR PLAN

 

外との繋がりを生み出す、古民家のリノベーション

窓の位置だけでなく、その形状や高さ。空間の主役となるキッチンの佇まいや形式などを含めて大きな変更を加えて完成したレイアウト。

このレイアウトしか無かったのではないかと思うほどに、庭の景観をダイレクトに活かしながら、室内の豊かさを構築することができたと感じている。

北側のアプローチを抜け、玄関に入ると真正面に見えてくる風景。南側の庭には大きな槇(マキ)の木がどっしりと構える。中へ入った瞬間にこの槇が主役になるよう、エントランスからダイニングへはガラスの仕切りを1枚挟み、広々とした視線の抜けを確保した。

全体の構成は、ダイニングを中心に、リビング、和室へと庭の景色に沿って回遊して繋がる。

キッチン・ダイニングは、景色を眺めながら、またキッチンに向かって顔を合わせて会話できるよう、横並びに座るカウンター式のスタイルに。槇の木が見える南側の眺望は、丸窓をアクセントにした。

その横には、広々としたリビングの空間。ダイニングとリビングは、天井の意匠で緩やかに空間を区切り、視覚的には一室の大空間として感じられるようデザインをした。リビングは、東側の庭に向かって窓を広く確保し、ゆったりとしたソファを配置。外の景色がパノラマに広がる大空間では、静かな時間が流れる。

玄関に入った時の驚きと、奥の空間への期待感。住まう機能の確保の為の閉鎖と解放のバランス。庭との連動とその切り取り方。

それぞれの居場所で時間を過ごしながら、外の景色と繋がり、暮らすことができる。庭の眺望を活かしたレイアウトの最適解を反映したリノベーション計画となった。

 

Project details

  • Location

    Otsu-Shi, Shiga

  • Date of Completion

    2023.03

  • Client

    Private owner

  • Design

    Interior design / I I L S. Inc.

  • Furnitures

  • Photographer

    Yoko Okada